2019.09.24

荒神谷遺跡、ラッキー!国宝・銅剣の展示に遭遇~京女のひとり旅5

8月の終わりに訪れた、島根県出雲ロマン・荒神谷遺跡。実は、古墳や遺跡、古代の歴史などにあまり興味がなく、史跡公園などほとんど行ったことがない私。最近少し興味を持つようになったのは、天才的な若い遺跡発掘師が主人公の小説シリーズのおかげ。ハリウッド映画でもお宝探しはミステリー仕立て。お気に入りの小説もテンポよく進んで楽しませてくれるけど、推理についていけないこともしばしば。有名な荒神谷遺跡には15年ほど前に来たことがあるものの、ほぼ記憶になく、こんなことでは西原無量くんに笑われる、お姐さんも勉強しなくっちゃと、松江の旅に立ち寄りを決定。外も暑いことだし、まずはビデオを見ようと入った荒神谷博物館。

1983年、広域農道をつくるための遺跡分布調査の際に、調査員が一片の土器を拾ったことがきっかけとなって発見された358本の銅剣。この当時の全国の銅剣出土総数、約300本を超えて一度に発見されたことで、研究者たちはてんやわんや。へぇ~そーやったんや、と改めて認識しキラキラのレプリカ展示を見てたら、「国宝展示はコチラ」と案内看板に導かれ、奥まった小部屋に数本の国宝展示。さすがの私も、京都の国宝より古いんや。弥生時代のロマンやなぁ、と感動。

一昨年、京都国立博物館で開催された国宝展は、人いっぱいで何時間も待たされたあげくほとんど見られへんかったのに、ここはスゴイ!。館内ほぼひとりで国宝独占やわ。また来ようかしら、などと数本の銅剣等を堪能しちゃいました。

ところが、これは国宝出土35周年記念の特別展示であったと、博物館を出たところで案内を申し出てくださったボランティアガイドさんから聞かされて、えぇーっ、もう一回入りたいよ~。「国宝は東京の専門機関で保存しないといけないらしいんです。普段はレプリカ展示だけで我々も見られないんですよ。もうすぐ終了するし、今日はラッキーでしたね」ですって、いやぁーホンマにラッキーでした。そやねぇ、入館料520円で見放題はないわねぇ。それにしても、急に決定したのか、開催されていた企画展のチラシにも、ホームページの案内にも国宝展示の案内が無かったんですけど。国宝慣れした京都人やないんやから、もうちょっと感動しようよー、弥生時代やでー!と言うことで、国宝撮影は出来ないので、あわてて垂れ幕だけ撮ってきました。

優しそうなガイドさん。博物館を出ると「案内しましょうか」とすーっと寄ってきていただいたので、せっかくやしと30分ほどでコンパクトに案内してもらいました。数人のガイドさんが詰めてらっしゃったのですが、長い話はメンドイし、こっちからはなかなか声をかけずらいものです。「出土したのは標高22mの南向きの山の急傾斜面なんですが、このくらい低いと山崩れしにくいらしいんです。昔の人はそういうこともわかってて保存場所を選んだんではないでしょうかねぇ」。

「ここ記念撮影スポットなんですよ。撮りましょか」と撮影してもらいました。顔に影ができてシワが隠れて安心の一枚です。

それにしても、田んぼのあぜで拾った一片の土器から、この山にあたりをつけて、世紀の大発見。発掘師の黄金の右手がうずいたわけではなく科学調査分析から見つけ出されたもので、メッセージの送り手と受け手がつながる瞬間、ロマンやねぇと、古代ものにもちょっと興味がわいてきた気がします。

お土産に、銅剣ストラップ。ロマンが届きそうな予感。

松江の旅は海の幸も堪能。

何度来てもえぇねぇ、こちらも国宝、松江城。400年のロマンにも味があります。