2021.03.25

京都・高台寺のしだれ桜~ひとり静かにお散歩

京都市東山区、臨済宗建仁寺派の鷲峰山(じゅぶさん)高台寺、方丈(ほうじょう)から眺めるお庭のしだれ桜。白砂にピンクで、ええ感じ。

高台寺は豊臣秀吉の菩提を弔うために、正室の北政所ねねが創建したもの。京都ひとり静かにお散歩シリーズ。円山公園のしだれ桜から知恩院さんの桜をさらっと見たあと、石畳の「ねねの道」で見つけた「しだれ桜咲いてます」の案内版に誘われて高台寺拝観。平日でそんなに人も多くなさそーやったし。(円山公園のしだれブログ)

姿の良いしだれ桜。高台寺はお寺にしては結構斬新なイベントをよく開催してはることでも有名。実はこのお庭も、少し離れて全体を見てみると・・・

左手に龍の頭があらわれて、白砂の波の続きか何かかと思った瓦の束は、うねる龍の胴体だったらしい。そういえば前の写真では桜の下あたりにしっぽが見えてる。なんでも毎年秋にテーマを決めた庭づくりをしてるらしく、これはコロナの終息を願った龍の庭。1500枚の古い瓦で作られた龍が、雲海に見立てた白砂の中を泳いでる様子やったんやて。ググってみたら最初の頃は確かに龍が暴れてた。数カ月経ってちょっとおとなしぃになったんかなぁ、おぼれかけてるよーにも見える。立ち上がれ龍!コロナに負けるな!

このお庭は小堀遠州(こぼりえんしゅう)の作庭。写真上の方の屋根付き階段の建物は「臥龍廊(がりょうろう)」。下の開山堂と上にある秀吉とねねの廟堂・霊屋(おたまや)とを結んでいます。

屋根付きの橋は観月台(かんげつだい)。ねねが亡き秀吉をしのびながら月を眺めたものとか。

秀吉と言えば千利休(せんのりきゅう)とお茶。ねねも茶をたしなむことが多かったらしく、傘亭(かさてい)と時雨亭(しぐれてい)という2つの重要文化財の茶室が伏見城から移築されてます。傘亭の中は天井板が無く唐傘を広げたようなつくりでちょっと開放的。どっちも利休好みの茶室なんだとか。。重文の表示板のまわりを囲むのは馬酔木(あしび)。葉を食べると馬がマヒすると言われる木で、白い小さな花がいくつも連なって咲いてます。庭園内では今が旬の馬酔木があちこちで咲き誇ってました。

整備された竹林エリア。いろいろ趣向が凝らしてあります。ねねの愛があふれてるんやろか。

出口近くのお茶所「雲居庵」でひとやすみ。お抹茶とおまん。「ねねの道」界隈は観光スポットも多くコジャレたカフェがいっぱいあるけど混雑の確立も高くて。ここだと密にはならんし眺め良くしつらえてあるので、安心してほっこりさせてもらいました。

それにしてもキレイに手入れされた庭園。管理を任されてる造園事業所の庭師さんら数人が黙々と作業されてて。実は、その昔、府庁で労働行政に携わってた時、この高台寺庭園に若い女子の庭師さんを取材に来たことがあります。担当してた業務が10ページほどの月刊労働ニュースづくり。労働行政って大部分が国の所管で・・そりゃそーやね、労働の基準が場所によって違ってたらえらいこっちゃ・・で都道府県は国の施策をアピールしたり人材を開発したり。障害者雇用支援月間、高年齢者雇用促進月間、職業能力開発促進月間、全国安全週間などなど、普通の人は知らんよね。でも重要やし身近な自治体・京都府がわかりやすくアピールさせてもらいますよ、って業務。庭師さんの取材は男女雇用機会均月間で模範的な事業所と本人を紹介。女子の職人って当時は少なかったし。けどまぁ、男女差なら府庁内にも平気でころがってて、そもそも私が労働ニュース担当を仰せつかったときも「長友さん女性やし広報とか合ってると思うよ」と有無を言わせず決められて主力業務は若い男子らに。どないやねんと帰宅してツレアイに愚痴ると、「冊子づくりが好き勝手に仕事でできるなんてえぇやん。おもしろいで」とえらい喜ばれて怒りの矛先はどこへやら。ツレアイからは見出しの付け方、写真の撮り方、文章のまとめ方やらを嬉々としてアドバイスされたり、取材や労務係のセミナーをのぞいたり、毎月掲載のお花の写真撮りに自転車でウロウロしつつ3年間担当。おかげさまでいろんな働き方や職場での戦い方を学んだり、また退職後にはこんなブログ発信を楽しめたりと、女子への理不尽な差別には感謝感謝ですわぁ。また折に触れ紹介することにしましょうね。

と言うことで、円山公園、知恩院から高台寺へと2時間ほどの桜を楽しむひとり静かなお散歩、のどかに終了しました。