大好きっ!、佐賀県伊万里、秘窯の里・大川内山(おおかわちやま)へ~京女のひとり旅12
うちの食卓は伊万里率が高い。使い勝手が良くて上品でオシャレ。これまでに何度か現地を訪れて買い求めてきました。
光沢のある白磁の肌に美しい上絵が描かれる色鍋島。この白に料理が映えます。上絵も料理をジャマしません。スープカップとか現代の暮らしのニーズにあったものが造られてるのもうれしい。わざわざ京都から出向いて買い求める、この旅のウキウキもうつわのお気に入りにプラスされてるんやろね。
今回の伊万里への旅は、連続ブログでも分割して紹介中の、京都から車での春九州お墓まいり旅のちょっと寄り道。寄り道の方が多いけど。
佐賀県伊万里市街からさらに奥へ。秘窯の里・大川内山の入り口、鍋島藩窯橋には陶板とたくさんの陶片が埋め込まれたオブジェが迎えてくれます。
一般的に焼きものの里と言われるところは、おまつりやイベント期間以外はたいがいひっそりとして静か。どこ歩いたらええんやろ、お店って開いてんねやろかと戸惑うことが多いけど、大川内山は山水画のような岩群をバックにした白壁や窯場の煙突で秘窯の里感たっぷりに、ぐるっと一周歩けます。すこし外れるとトンバイ橋や鍋島藩窯公園、壁画モニュメント、登り窯などもあります。コロナで閉館中やったけど展示が見られる伊万里鍋島焼会館はなかなかええですよ。
江戸時代に佐賀藩(鍋島家)が、将軍家や幕閣への献上用の焼きものを有田で製作してたけど、製作技法が他に漏れないよう、有田から険しい地形の大川内山に藩窯を移転。秘窯の里として入り口に番所を設けて厳重に管理し、採算を度外視した高品位の特別あつらえの献上品「鍋島」を幕藩体制がなくなるまで作り続け、350有余年の歴史を現代に伝えている。世界の至宝として妥協を許さない精緻な造形と優雅な作風から近世陶磁器の最高峰である、とパンフで紹介されています。「古伊万里」はちょっと違って、江戸時代に有田や波佐見など肥前地区一帯で焼かれた焼きものが、伊万里港から積み出して国内やヨーロッパへ運ばれたために、港の名前の「伊万里」が焼きものの代名詞になってその総称が「古伊万里」と呼ばれて区別されてるようです。
現窯元は30数軒。鍋島藩窯坂がメインストリート。表の扉は閉まってても「こんにちわ」とかちょっと声かけつつ窯元のお店に入ると、たいがい奥から人が出てこられて照明の電気をつけて、どうぞゆっくり見ていってね、と言うてくれます。気が弱くてひとりでは入れへんときは「今日はスープカップを買うぞ」と、買う買わへんは別にして何か目的物を決めると、何をお探しですかと聞かれたとき会話が成立して、「他もちょっと見てきます」言うたら何も買わんでも気兼ねなくお店を出ていけます。ちょっと京都的やろか。。。マジでマグカップやビールグラスはあるけどスープカップやワイングラスって伝統的な窯元にはなかなか無いんですよ。けど現代の生活に蓋つきのお湯呑みやお抹茶のお茶わんっていらんでしょ・・って、京都の京焼清水焼の窯元で言うてたらムッとされましたが。。ちなみに私は数年前にここ大川内山でスープカップをほんまに見つけて、窯元のセンスをお気に入りしたので、お買い物はそこでします。伝統はすばらしいけどお客さんが買うてくれんと次につながれへんし大変なんやろね。
山のきわまで歩いたところにあった見晴らしのいいカフェ「陶芸館伊万里」で休憩。
伊万里焼カップででてくるコーヒーや小物類もうれしい。なるほどこんな使い方するんや、と参考にもなるので必ずカフェに入ります。焼きものデザインのテーブルクロスやハンカチもおうちで工夫していろいろ使えますよ。あれもこれも欲しくなるところですが、ぐっとこらえて計画していたものをなじみの窯元でゲット。気になるものは、また次に来た時に買い求めることにしましょう。
ところで、伊万里市街の飲食店はたいがい伊万里焼のうつわ、これはうれしいですね。なかなかできんことです。
数年前にタクシーの運ちゃんに教えてもらった特産の伊万里牛のお店「ダジュール」のうつわは、お店が窯元に特注されたものでした。この洋皿欲しかったなぁ~。目玉焼きもごちそうになりそうなお皿やし。
伊万里市街にはやきもののオブジェもあちこちに設置されててこのウォークもそこそこ楽しいですよ。JR伊万里駅前に観光案内とか特産品のお店があります。今回は伊万里泊だったけど、小倉や博多泊で来ることが多いかな。九州北部エリアは博多バスターミナルから伊万里までのバスが便利。JR伊万里駅前からは大川内山行きバスに乗り換えるけど、大川内山からの帰りがなかなか不便。待ちきれなくてたいがいタクシーを呼んでもらっていました。さすが秘窯の里やけど、高齢社会やし、もうちょい公共交通機関利用者にも便利やとええねぇ。伊万里牛もワインやらと一緒においしくいただきたいし。今回は車でお出かけしといてなんやけど、コロナで車依存が高まってしまうのは時代逆行。運転できんよーになったらお出かけもできひんのは、ちょっと悲しいねぇ。