2022.08.17

富山県美術館「ミロ展」と富山県水墨美術館。シュルレアリスムを撮る~京女のひとり旅36

子どもの落書きにも見えてしまう、スペイン生まれ、超現実主義シュルレアリスム画家、ジュアン・ミロの「ミロ展ー日本を夢みて」は富山県美術館。そして、富山県水墨美術館では「コレクター福富太郎(ふくとみたろう)の眼」展。コロナ禍やし大雨が続く夏なのに、やっぱりお出かけしてしまいました。

富山駅北側の富岩運河環水公園(ふがんうんがかんすいこうえん)に建つ富山県美。今年は開館5周年の記念企画展がいろいろ。サンダーバードで何度もお出かけしてた大好き富山県。新幹線開通で関西からはちょっと不便、東京に魂売らはったんやー・・しょうがない。乗り換えメンドイので片道320㎞、車を走らせ・・ても何度も訪れるまち。今回は一泊して2美へ。大雨が降り始めた8月初旬。警報の石川県内北陸道を無事走り抜けて到着。先に水墨美の日本画を堪能して駅でランチしてから、ミロってどんな絵なんやろと。いくつかカメラOKやったのでご紹介。

あれっ、これは・・・ジャコメッティ。。「裸婦立像」やて。富山県美3回目やけど・・コレクションからやったっけ? スマートでえぇなぁ、といつも思う彫刻。

おぉ~。岡本太郎「明日の神話」。爆発してる~~。大阪万博公園の太陽の塔に出かける以外で、岡本太郎の作品観るの初めてかも。つい先日、NHKで太陽の塔のストーリー見たとこやったし、なんか、うれしっ。

ピカソ「闘牛場の入り口」。。素直な絵ぇやん。コレクションだけでも1100円の価値ありそうやけど。。。さて、よーやく、ミロへ。

「アンリク・クリストフル・リカルの肖像」。ミロの初期作品。浮世絵を収集してた親友の版画家の肖像やて。バックに浮世絵あり。日本大好きなミロらしけど、この頃はまだ、それほどでも・・だったとか。ミロが生まれる5年ほど前、スペインバルセロナでは、初の万国博覧会が開催され、注目を集めた日本の美術工芸品によってジャポニズム・ブームに沸く街で、ミロは少年時代を過ごしたらし。美術学校で浮世絵や日本好きな友人と交流するうちに、自身も日本にあこがれを抱くようなったとか。

「シウラナ村」。ミロが好きな山あいの小村。風景画。

そして、いよいよ、シュルレアリスム「絵画(パイプを吸う男)」。そー言われれば、そんな風に見える、ってな見方するもんやないんやろか。

「焼けた森の中の人物たちによる構成」。バックの灰色の地がところどころ削り取られてる。一つ上のパイプの絵は、ほんまに落書きっぽいけど、実はミロは念入りな構想の上に「落書き」を制作してたらしく、スケッチブックには、すべて下書きがあったと、解説あり。「焼けた森の・・」は、お題もなんか複雑で、何かきっと、見せたいモノがあるんやろなぁ。。

「絵画(カタツムリ、女、花、星)」。1934年。文字が描かれた作品って、珍しかったんやろか。うーん。星はどれやろ。シックな色づかいはおもしろい。

「絵画」。1966年。もはや、お手上げ。何が描いてあるのやら、さっぱり・・。ミロが初来日した年、帰国後に描いた作品で、この頃から、黒い絵の具が垂れたりはねたりするらし。日本の書道に魅せられたのではないかと。。。ミロ展、こんなとこでしょうか。

なんだかハンズにでも売ってそーな、ミロ画表紙のロルバーンのメモ帳(右)と、ミロ展チラシに採用の「パイプを吸う男」のクリアファイルをゲット。自宅でクリアファイルを絵のかわりにディスプレイ。見飽きひんし、部屋になじんで癒され感も出てきました。ミロの底力、やろか。

こちらは、富山県水墨美術館。神通川のほとりに建つ和な文化の発信基地。今回は雨が強かったんで、一昨年の菖蒲の頃の写真にて。

ここはカメラNG。福富太郎は、1964年東京オリンピック景気を背景に、全国に44店舗ものキャバレーを展開し、キャバレー王の異名をとった実業家。チラシの絵は鏑木清方(かぶらぎきよかた)「妖魚」・・人魚のちょっとあやしい絵。ポストカード上段右も清方「祭さじき」。その下は伊藤小坡(いとうしょうは)「つづきもの」。下段真ん中は岡田三郎助(おかださぶろうすけ)「ダイアモンドの女」。女性像を得意とした洋画家です。そして、上段の真ん中は、小村 雪岱(こむら せったい)の「河庄(かわしょう)」。 雪岱は、大正から昭和初期、日本画・版画・挿絵画・装丁などマルチに活躍した画家。これは、近松門左衛門の「心中天網島(しんじゅう てんのあみしま」の遊女茶屋「河庄」の場面。このシュッとした男女と、カードでは切られてるけど表装のデザインが素晴らしい。一昨年に岐阜県多治見の現代陶芸美術館で「小村 雪岱スタイル~江戸の粋から東京モダンへ」を観て即ファンになった雪岱。出会えてうれしっ。

美術館内の廊下に拡大ディスプレイされてた上村松園(左)「よそほい」。こっちも初見作品に出会えて、うれし、でした。

ランチは、富山駅で海鮮丼ミニ。平日やし、つい1000円のミニ丼なんて現役時代のクセで注文したけど、観光に来てるんやった~。まぁ、最初のビール一口で8割方満足。安上がり。

鉄道王国、富山。路面電車が便利でカッコイイし、岩瀬浜・海に向けて走ってた富山ライトレールは、クリスマスやバレンタインのラッピングがカワイくて、その時期めがけて通ったことも。一昨年に駅の南北がつながって便利やし、駅ナカの乗り場や電車内も段差なく、乗車ストレスの無さが日本とは思えない。富山県美の次の企画展やキトキトの魚を食べに、また来なきゃね。翌日は、北陸道一部通行止めにつき東海北陸道経由で無事帰宅。もうえぇかげん、大雨止んで欲しいよ~~。