明治期モダンな絣織り復元の「相楽木綿マスク(さがなかもめんマスク)」~京都府木津川市
藍染めの紺地にカラフルな色糸の縞(しま)と絣(かすり)を織り込んだ美しい木綿織物「相楽木綿(さがなかもめん)」。大好評の地域発マスクシリーズ、第3弾。
相楽木綿マスク姿で、「京都府から指定無形民俗文化財の指定をいただいたんですよ、うれしいっ!」と指定書を持ってほほ笑んでくださった「相楽木綿の会」&「相楽木綿伝承館」の代表・福岡佐江子さん(写真左)。右側の田中智子さんは自作の工夫絣(くふうがすり)のお着物。福岡さんもスカートの上にさりげなく自作の工夫絣を羽織りつつ、中のセーターは手織りの工程で使った糸で編んだものとか。テーブルクロスやクッション、コースターなどなど、いつ来てもワクワクするショールーム兼事務所です。同行の経営応援コーディネーター・八木真澄さんとともにキョロキョロしちゃいました。「これも見てね」とテーブルに置かれた盾は、歴史ある公益法人から贈られた「繊維教育賞」。相楽木綿の復元と伝承人材の育成が評価されたものです。
明治から昭和初期に、京都府南部の相楽村(さがなかむら)、現在の木津川市相楽で生産され戦後途絶えてしまっていた手織りの木綿を復活し伝承したいと、2005年に相楽木綿の会を立ちあげ、2009年に相楽木綿伝承館を開設。私は2008年に、京都府庁の地域力再生プロジェクトのコンクールで優秀賞を受賞された際に相楽木綿の会の取り組みを知って以来のつながり。福岡さん宅に残っていた資料・相楽木綿の布地。途絶えてしまって織りの技法は直接学べず、現存資料をもとに古老から聞き取り調査し、大学で織りを学び、仲間を集め伝承館をつくり、試し織りを繰り返して製織技術を習得。約10年で無形民俗文化財の指定って、ほんまにすばらしい!感動です。(ちーびずブログ、ちーびずカタログで詳細を紹介させてもらっています。)
コロナで自粛や活動制限。9月からようやくフルオープンした相楽木綿伝承館。開館は日、月、木、金、10時~17時(1、2月は休館)。手織りや糸紡ぎ体験は要予約。伝承者育成の機織り教室は、初級、中級、上級、専科、研究科のコースで、毎年4月に初級コースがスタート。
福岡さんが織ってくださってるのが大和機(やまとばた)。
田中さんの方のがチャンコ機(ばた)。大和機の改良機です。ちょっと実演をお願いしたら、お二人ともリズミカルに織り進めてくれはったけど、簡単やないんやろねぇ。。。福岡さんも田中さんも、お出会いするたびに、違う自作の工夫絣を身に着けてはって、えぇなぁ、うらやましぃなぁと、うっとり。お金を積んでも買えへんのです、って、お金はよー積まんけど。技術を身につけて自分で織るのが相楽木綿の基本です。
2019年6月に発行された「相楽木綿伝承館10周年記念誌」内で紹介の、相楽木綿の会の復元試織裂。記念誌では相楽木綿の歴史、特徴、作品など10年の歩みを詳しく紹介。販売もされてます。「コロナ禍でも地域を元気にしたい」との思いで作られた相楽木綿マスク。基本となる紺色の藍染めは防虫抗菌効果があると言われています。今買えるのは、相楽木綿伝承館のある「けいはんな記念公園」の水景園出入口の事務所。マスクは木津川市のふるさと納税の返礼品にもなっているとか。
その他の製品は伝承館で販売。製品用の織り手はまだまだ少ないと言うことで、マスクも含めて販売は現地で買えるものだけ。全て1点ものです。
四角ポーチ。
ミニマット。
テーブルセンター。裏地は赤、青、緑。
京都府精華町のけいはんな記念公園水景園。回遊式日本庭園で四季折々の情緒が楽しめます。相楽木綿伝承館は奥に見えている観月楼の中。入場料200円。観月楼へは庭園内が一望できるデッカイ観月橋を渡ります。満60歳以上は無料。この公園は、けいはんな学研都市(京阪奈・・京都と大阪と奈良・・関西文化学術研究都市)の建設を記念して整備されたもの。文化の薫り高いエリア・・です。一度お出かけしてみてください。
相楽木綿マスク・4000円、四角ポーチ・5000円、ミニマット・2500円、テーブルセンター20000円、伝承館10周年記念誌・2000円。現地でお買い求めください。