2021.10.30

静かな旅、岡山県新見(にいみ)のまちウォークと美術館~京女のひとり旅25

レトロな路地は「三味線横丁」。江戸時代・元禄の頃にまちなみがつくられた新見藩。もうお城はつくれない時代であったらしく、藩主は御殿(ごてん・官邸)を建てて政務。面影をのこす御殿町まちあるき、観光協会のおススメらし。

新見の大動脈、高梁川(たかはしがわ)。新見を訪れるのは3回目。最初は2017年、津山メインの旅でちょっと足を延ばして、新見ってどんなとこやろと、とりあえず新見美術館を目的地に設定。このあたりの中国自動車道は、中国山地の山ん中を突っ切る感じで高低差とカーブが多く結構スリル。で、新見インターを降りると、ほどなく、山に囲まれた静かなまちの中心部。JR新見駅横の駐車場に車を置くと、線路越しの高台に新見美術館の看板。

線路の向こうへは、地下通路から。水量が上がると通れません、との看板も。

その時の企画展はイラストレーターの水森亜土展。かわいいしゃべり方する人やんね、懐かしいなぁ、と鑑賞し終えると小さなカフェ見っけ。高台で眺め良好。まちが一望できてとてもお気に入りしました。

翌年の2回目は美術館の企画展そのものを目指して。上村松園の「桜狩の図」やら美人画を観たくて。その時はお隣の高梁市に泊してJR移動。これがまた絶景路線。高梁川沿いの渓谷を走り続け、井倉洞あたりの景観は特に風情あり。これは超おススメやなぁ、と機嫌よー新見駅で下車し、慣れた地下通路で美術館を目指すと、付近の住宅は水没災害あとでボランティアらしき人らが復旧作業中。そう2018年は高梁川も氾濫した西日本豪雨でした。呑気に観光しててゴメンナサイとうつむいて通り過ぎ、美術館の後は駅前のカフェでピラフランチ。こんなんじゃ足しにもならんけど。。。

で、今回は、新見のホテルに泊。まず観光協会に立ち寄ってから。

まちあるきコースは、商業の中心地として栄えたエリア。なまこ壁の商家や木造の元料亭や四軒長屋など。城山公園があるので、きっと御殿はそこにあったんやろね。日曜だったけど観光的に歩いてるのは2組ほど。コロナもありーので、なかなかねぇ。

三味線横丁も、端唄(はうた)・小唄(こうた)・都都逸(どどいつ)など粋なお姉さんと旦那衆が下駄で行きつ戻りつ・・ってな横丁やったんかな。明治から大正、昭和の初めころまでは栄えてたんやろな、と、しのびつつのウォーク。小さなエリアなので、建物内見学せーへんかったら30分ほどで一まわり。カフェがないのでこのエリアで一休みできひんのが惜しいところ。観光協会のおネェさんに教えてもらった、風情ある建築のイタリアンレストランは地元でとても人気らしく、おネェさんの予想どおり満員御礼でした。商店街の表示もあるんやけど。。。滞留できんとお金も落ちひんでー。

駅前に戻ってランチ。

岡山県がどーやったか覚えてへんかったけど、京都府民はコロナ自粛が明けたばかり。まちウォークあとの、とにかくビールがうれしいっ。観光協会から「なんでもそろってます」とおススメされた、味の庄「伯備(はくび)」。お酒のあてだけみたいなランチ。特に見つくろってもらった酢の物は、瀬戸内なのか日本海からなのか・・新鮮魚介たっぷり。とても満足しちゃいました。

時間もたっぷりあるし、今回も新見美術館へ。ちょっと気分が浮かれてますけど。

93歳のフォトグラファー西本喜美子写真展。息子が主宰する教室で写真を撮り始めたのは72歳。74歳でパソコンを購入し編集ソフトを使い始めたとか。仏壇の前で宙に浮いた写真やシルバーカーに乗って高速で走り抜ける写真などなど。「おばぁちゃんだってアートする」だって。まさに。

お花や植物写真からつくるアート。

こんな自虐写真なんかも。さすがにこれは、息子から、虐待してると勘違いされるから止めてくれ、とクレームが入ったと説明書きが。本人はとても楽しんでユーモアを追及してはるらし。尊敬するねぇ、72歳の手習い・・私なんかまだまだ若造じゃん。企画展の最終日だったこともあり、結構たくさんの来場者。旅してると、ほんとにいろんな出会いがあって楽しい。鑑賞後は秋晴れの新見のまちを一望できるカフェで、お気に入りのひととき。先に貼り付けた写真がこの日の眺め。さて、この後は観光協会女子に教えてもらった地元スーパーで、今夜の食糧やらを調達。地元の暮らしウォッチングも楽しみの一つやし。ちょっと元気をもらっちゃった美術館。また、来ることにしよう。