もうすぐ完成。京丹後久美浜のお試し住宅。休耕田での農業チャレンジもお手伝い。
京丹後市久美浜、地域の活性化プロジェクト「みんなのふる里」による、まちなか商店街の古民家再生。1月にもブログで紹介しましたが、情報発信と交流のフリースペース、レンタルスペース、そして2階のお試し住居部分が完成間近とのことで、代表の安井岩夫さんに案内していただきました。
写真は1階、共用のレンタルスペース。光もたっぷり入る気持ち良い空間になりました。お仕事や会議、ちょっとしたイベントにも使えます。「建具などはもともとあったものをなるべく活用しています。欄間なども凝ったつくりで、もとお酒屋さんの当時の繁栄がしのばれるねぇ。」と安井さん。「椅子は本業(建築屋さん)の方で半端がでたものをいろいろ活用してます。ちょっと不ぞろいやけどこれも味かなぁと」と。左奥の飾り棚は天板も中の板も銅板。歴史あるんやろね。手前の木箱は地元和久傳さんの不用品ですって。「商品が入ってた木箱が次々にゴミになって処分に困ってたみたいで、使えるならどうぞと言われて」と。スリッパ入れや重ねて小物入れの棚として上手に活用されてて、あつらえたようにマッチ。さすが建築屋さん。「家でも建具でもなんでもできるだけ残して再活用の方向を探ります。工夫すれば使えるものはたくさんありますよ。おかげさんでそれが少しずつ評価されているようです」。部屋に置かれたピアノも知り合いから持ち込まれたもの。気持ちもあたたかくなる場所です。
2階の住居部分。床の間や押し入れも使い勝手よくなりました。
安井さんの手持ちの古いタンスを設置。ハーモニカが仕込んであって開け閉めに音がするやつ。ちょっと懐かしい。一緒に見学してるのは、二軒となりにある古民家再生1号店・糀マルシェ店長の夫さんで余根田直樹さん。デザイン屋さんです。タイアップも検討中。
1階共用のトイレ、炊事場、そしてお風呂は新たに設置。タイルを貼ってちょっとおシャレに仕上げられた炊事場。安全性も考えてIHクッキングヒーター。古民家でも水回りは明るさや使い勝手を優先してもらってるのはうれしい。
早急にレンタルの条件などを整備して募集開始したい意向です。
そして、少し車を走らせてもらって向かったのが休耕田。
久美浜湾と地元のシンボルかぶと山が見える気持ちの良い場所。ツクシがいっぱい。鹿のフンもそこここに。電気柵をつける予定とのことです。地主さんとも調整済み。久美浜のここら辺は砂地で特産は果樹やサツマイモ。「地元の農家の方とつないだり農業チャレンジもお手伝いさせてもらう予定です。一から始めるのは大変だしね。まわりの畑もけっこう空いてて、地域の人からも声をかけてもらってます。とにかく、住むところと仕事への支援をスタートさせて移住の事例ができるようがんばりたいね」。民間だけで移住支援する例は初めてらしく行政からも注目されています。
ランチは友重地区にある配食サービス・食堂「えんがわ」にて。(ブログ参照)4年前にオープン。みんなのふる里の取り組みはここから始まりました。この田園風景にほれ込んで。「糀」も近所の女子たちによってここで作られ販売もあります。安井さんの生活・仕事の基盤はお隣の兵庫県豊岡市。「親の介護がなかったら実家があるというだけで久美浜を気にかけることもなかったでしょう。介護に通って福祉関係の方々にもいろいろお世話になるうちに、久美浜ってこんなにいいところなのにもっとアピールせんともったいない、と思うようになってね、今では久美浜にあるもの見るもの全てが宝ものに見えてくるんですよ」。ふるさとは遠きにありて。。外に出てしまってから魅力に気づくことはあっても、その気づきからアクションできる人はほぼいませんよね。
配食サービスのおかずに、食堂で食べる場合はおうどんかお蕎麦がつきます。カラダにやさしい献立。「配達はご飯なしの方が多いかな。ご飯は家で炊けるしね。数か月配食を続けられると、体調が良くなったからと止められるんですよ。まあ、健康になってもらえたならええんですけどねぇ」と苦笑。「それでも4年間、やっぱり続けてるとお客さんやつながりも少しずつ増えてくるもんですね。ありがたい。」。
みんなのふる里モデルの移住促進、応援していきたいと思います。ごちそうさまでした。