2025.01.17

メノウと虎と金キラキラ。世界遺産「大シルクロード展」~京都文化博物館

さすがにメインビジュアル。輝いてるねぇ~。2014年、世界遺産なってから中国国外初の「大シルクロード展」が日本各地巡回。京都文化博物館にもやってきたのでお出かけ。カメラOK。パシャパシャ。

一級文物《瑪瑙象嵌杯(めのうぞうがんはい)》5~7世紀。一級文物=日本の国宝的な。新疆(しんきょう)ウイグル自治区の墓から出土した金製の杯。虎をかたどった握り手も豪華。草原地帯の遊牧民の文化との関連が指摘されてる、と説明。ほぅ~~、ゴージャス。さすが本家、虎が猫やないっ。シルクロードと言えば・・

こんなイメージしか出てこーへんけど、この大陸横断路で中国に入ってきた文化が、いろいろ日本にも来てるんやもんね。展示は3部構成。1部はロードを往来した騎馬遊牧民「胡人(こじん)」の活動と、往来したオアシス都市からの、西方や北方の香り高い遺宝を紹介。

一級文物《男子跪坐像(だんしきざぞう)》前5~3世紀。とんがり帽子の青銅像。腰布だけ巻いて肉体を強調するのはギリシャ文化の影響やて。2000年前のおにいさん、今にも走り出しそう、カッコえぇ。

一級文物《唐花文錦鞋(からはなもんにしきぐつ)》唐・8世紀。色鮮やかな唐花文の錦でつくった靴。つま先が高いのは長いスカートの裾を引っ掛けるため。よく似た靴が奈良の正倉院で見られるらし。正倉院展行ったことない。人多そうやん。それにしてもこれで、走れるんやろか。

一級文物《草花文綴織靴(くさばなもんつづれおりくつ)》1~5世紀。女性のくるぶし丈のブーツ。砂漠化が早かった地域から出土したらしく、被葬者はミイラ化、装飾品も良好な状態で出土したらし。これなら踊れそう。かわいい。

一級文物《耳環(じかん)》北魏・5世紀。ピアス。金に青色のトルコ石と桃色の石がはめこまれてる。金は不滅。

一級文物《樹下美人図(じゅかびじんず)》唐・8世紀。屏風絵。樹の下にたたずむ美人図は、唐代に流行した画題。正倉院に同じ構図絵屏風があると。近代日本画にも多いよね、わけあり美人的な。このおねぇさんはリンゴのほっぺ。私でもいけるか?ムリか。。

第2部。東西の交通路が開かれた漢の時代を経て、多民族国家の唐の時代には中国に居住する胡人も増え、国際色豊かに異国風の装いや美術、音楽が流行。東洋と西洋の文明が相互に影響し共生して繁栄。唐にはとてもお世話なってる日本。

車馬儀仗隊(しゃばぎじょうたい)》後漢・1~7世紀。漢代の墓から出土した青銅製の車馬隊。墓の主人や夫人の車を騎馬隊が囲み、馬は口を開いて激しくいなないてる。外敵から国をまもる強力な騎馬軍団。

一級文物《鳳首杯(ほうしゅはい)》唐・8世紀。西方の世界で愛用されたリュトン(角製の杯)を真似た陶器。把手部分が鳳凰の頭、全面に浮き出す華やかな植物文、鮮やかな三彩釉(さんさいゆう)との解説。三彩釉をググると。中国から伝えられた焼き方で、緑・黄・白三色の釉(うわぐすり)をかけた焼物のこと。奈良時代にたくさん作られて正倉院には壷・皿・碗などいくつも保存されてる、と。角の杯も探したらあるんかなぁ。いよいよ正倉院か。。平安京では時代がちょっと足らんし。

一級文物《六花形脚付杯(ろっかけいあしろつきはい)》唐・8世紀。金キラキン、まさに唐全盛期。乗馬、狩りの人々、獣、鳥、花やらが外側に細かーに描かれてる。

一級文物《献馬図(けんばず)》唐・666年。唐の第2代皇帝太宗の妃の墓に描かれてた壁画。深目高鼻で筒袖の胡服をまとうのは外国人。西方馬の首を押さえながら献上する場面が描かれてるらし。

一級文物《女子俑(じょしよう)》唐・8世紀。ふくよかな顔と優雅な立ち姿は典型的な唐美人らし。5~6頭身ってえぇよねぇ。ミロのヴィーナスより親しみがわく。天平美人的な。奈良平城京の貴族たち、華やかな唐の文化をいろいろ取り入れたんやろね。

一級文物《胡人俑(こじんよう)》唐・7~8世紀。シルクロード往来する胡人。中でも活躍したイラン系のソグド商人。右手を上げたポーズは馬やラクダを引く様子らしけど、なんやユニークな踊りみたい。儲かってウハウハやったんかなぁ。。。

3部は仏教の旅路。インドで生まれたガンダーラ仏教。インドの仏像はギリシャ・ローマ彫刻の影響を受けて成立。西暦1世紀ごろシルクロードを通って仏教は中国へ。そのルート上で発展するオアシス都市の一つに敦煌(とんこう)があり、多数の仏教遺跡が残る。

一級文物《菩薩坐像(ぼさつざぞう)》唐・7~8世紀。絞れてるねぇ~腰。うらやましい。右脚をおろす自然な体勢や豪華な装飾品はインドのグプタ美術の影響やて。京都広隆寺にある国宝第一号・弥勒菩薩の半跏(はんか)すわりとはちょっと違うらしけど、アルカイックスマイル系のほほえみで、救われそーや。

《菩薩立像(ぼさつりゅうぞう)》唐・7世紀。一級文物やないしお顔もないけど、ほっそりプロポーションに覚えがあって。法隆寺の国宝・百済観音像(くだらかんのんぞう)が、こんなほっそりスタイルやったなぁ、と。行ったことないんやけど、つい最近読んだ、ものスゴサラサラ読めた新書「入門日本美術史」(山本陽子著)で魅力的に紹介されてて、法隆寺行こかなぁ、思てたトコやった。

これくらいで1600円分見れたやろか。学生時代に歴史を楽しんだ記憶はさっぱりないけど、改めてカルチャーするとおもしろいね。テストがあらへんしやろか。。。冬のお天気は旅の予定が立てにくい。当分は美術館めぐりやね。