京都・法金剛院、蓮の寺へ朝のお散歩
極楽浄土に咲く花、蓮(ハス)。JR嵯峨野線花園駅近くの法金剛院(ほうこんごういん)は、蓮の寺とも言われます。JRの車内からも境内の蓮がチラッとみえますよね。そろそろシーズンも終わる頃ですが、梅雨明けの日曜日、朝からたくさんの人が訪れていました。
法金剛院は、律宗(りっしゅう)・唐招提寺(とうしょうだいじ)に属する寺。平安時代初期に山荘として建てられ、主人の死後に双丘寺(ならびがおかでら)になり、平安時代の末に法金剛院とされたもの。名勝の地・双ヶ丘は三つの丘の総称。法金剛院の西にあり、一番高い一の丘で標高116m。このあたりは古都保存法の歴史的風土特別保存地域に指定され、近隣に妙心寺、仁和寺、竜安寺などもあります。法金剛院の極楽浄土を模した庭園、桜や菊や紅葉の四季おりおりのみごとな美観に、西行をはじめ多くの歌人が歌を残したと、パンフに紹介されています。
と言うことで、時代は令和の蓮の花。花の数や面積では他のまちおこしの花園などとはとても比較にならない小規模なものですが、歴史のストーリー付きで鑑賞すると、一味違った見方ができたり、世の無常を思ったりできます。私はこういう鑑賞が結構好きで、府庁職員時代、毎月発行の冊子に季節の花の写真を掲載するコーナーがあり、ほとんど神社仏閣に撮影に行きました。歴史もさることながら、コンパクトに収まって撮影しやすいし、お寺や神社はお手入れも完璧。枯れた花がそのまま残っていたり開演時間中に草むしりをされたりは、ありません。きっと京都人のプライドが許さないと。まっ、そんなことを思いつつ、小さいので3回くらいぐるぐる回りました。
朝露が残る蓮。手入れの行き届いた庭園で、小さな生きものたちも気持ちよさそうに飛び回っていました。
京都のお寺や神社の庭園。ワイワイガヤガヤしたい人たちには不向きです。団体旅行でもお一人様でも、心静かに楽しんでください。