2024.07.06

京都市京セラ美術館「キュビスム」展~原則カメラOK、ビックリした。。

こんなことある?絵見る前から感激。フランスのポンピドゥーセンター、恐るべし。

2023年から全面改修中・・で、この外観・・やなくて、もともと工事現場の足場みたいなデザイン。斬新!。。。さて、キュビスム展。

メインビジュアルは巨大、巾4メートルの超大作。《パリ市》1910-1912年、ロベール・ドローネ。日本初出品。見えるやん、エッフェル塔やらパリのまちが。20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって生み出されたキュビスム。展覧会の公式HPで動画解説してはる、山田五郎さんによると、キュビスムは、1910年代、世界中の画家がかかった「はしか(麻疹)」みたいなもんで、キュビスムを通らんと次に行けへん・・ほどやったとか。もち日本画家も例外でなくフジタ、岡本太郎、東郷青児やらも通ったと。キュビスムは、キューブ(立方体)で描くこと。1908年にブラックが、キューブで風景画を描き、それより前にピカソも《アヴィニヨンの娘たち》ってのを描いてたりしつつ、ふたりはモンマルトルのボロアパートでキュビスムの実験。そもそものきっかけは、1907年のポール・セザンヌの大回顧展に魅せられたこと。セザンヌ兄貴ですよ、私も大好き!。遠近法や質感表現が苦手で、それらを無視。絵なんて、そっくりに描いたらえぇっちゅうもんやない・・的に独自路線を突っ走った絵が、パリだけやなくあちこちの若い芸術家たちに衝撃を与えて、「はしか」状態。セザンヌいーひんかったらキュビスムはなかった。セザンヌに惚れ直しちゃう。ピカソとブラックのキュビスムは、1914年、第一次世界大戦で終了。画商やらの支援も無くなって。けど世界中に広がったキュビスム手法は存続し、建築家ル・コルビュジエらにより、1925年を境に新たな展開へ。キュビスムはただの美術運動やなく、モダニズム。より大きな社会変化の先鞭(せんべん)。その後の人の「美意識」を変えたと。以上、五郎さんの解説でした。それでは、絵。全部は貼り付けられへんけど。。。

《レスタックの高架橋》1908年初頭。ジョルジュ・ブラック。セザンヌを真似てキューブ。セザンヌ的キュビスム実験の時代。レスタックはセザンヌゆかりのまち。

《女性の胸像》1907年。パブロ・ピカソ。 《アヴィニヨンの娘たち》の習作の一つ。アヴィニヨン・・は展示なし。ググると見れる。

《肘掛け椅子に座る女性》1910年。パブロ・ピカソ。色がどんどんなくなっていく。分析的キュビスムの実験の時代。

《果物皿とトランプ》1913年。ジョルジュ・ブラック。総合的キュビスムの実験の時代。ちょっと色が復活。こんな感じのピカソのもいろいろ並んでて、どないなってんねん、ってツッコミながら観るん、結構・・好き。

《ラム酒の瓶のある静物》1890年頃。ポール・セザンヌ。(ポーラ美所蔵)。わかりにくいけど、右下の机の脚の位置がちょっと変。セザンヌの静物画はこーいうやつ探すの楽し。

《4人の水浴の女たち》1877頃。ポール・セザンヌ。(ポーラ美所蔵)。キュビスム的かはよーわからんけど、これも好き。

《アポリネールとその友人たち》1909年。マリー・ローランサン。貧乏な若い画家たちが、モンマルトルのボロアパートに集って、アンリ・ルソーを讃える夕べと題して、わいわいがやがやな様子。真ん中が詩人アポリネール、右後ろがピカソ、右前がローランサン、左の頭華やか女子がピカソの当時の彼女フェルナンド。

《輪を持つ少女》1919年。パブロ・ピカソ。大戦後、ピカソは路線変更し、古典主義にもどりはじめた。少女のうしろの鏡の縁は写実表現で折衷的な絵。

《女性の頭部》1912年。アメデオ・モディリアーニ。モンマルトルのボロアパートでピカソらとも交流。その後、モンパルナスに移住して、細長の人物彫刻を生み出す。

《ギター》1913年。ファン・グリス。サロン・キュビスト。ピカソとも交流あり。同郷のスペイン人。サロン・・公募展にキュビスムを出展して広めた。マティスへもキュビスムをつないだとか。

《タグボートの甲板》1920年。フェルナン・レジェ。円筒やメカが好きらし。ポップアートの先駆け的な人やて。カラフルがえぇね。

《ロシアとロバとその他のものに》1911年。マルク・シャガール。キュビスムにあこがれて、モンパルナスで画家たちとも交流したらし。ロシア・・ベラルーシの人やて。首飛んでる?ホラーやん。

《静物》1922年。ル・コルビュジエ。もっとわかりやすいキュビスムをと、ピュリスム(純粋主義)を提唱。絵画だけでなく建築物やらトータルにカッコよく。キュビスムが現代のモダニズムへとつながる。

ル・コルビュジエ設計の東京・国立西洋美術館と京都で開催された50年ぶりの大キュビスム展。文化庁が京都に来はった特典? まぁ、たまにはこんなこともないとね。いろいろ勉強させてもらいました。