2020.05.27

京都平安神宮のカキツバタ、やっぱりお出かけは楽しい。

外出制限解除になった日曜日、心静かにお花観賞で癒されようと見頃情報をネットで検索。おっ、杜若(カキツバタ)はまだ間に合うんや、と平安神宮の神苑へやってきました。

7代目・小川治兵衛(おがわじへえ)作の神苑・中神苑に紫色のカキツバタ。決して広くはないですが風情たっぷり。この日は入苑者も数組で静かにゆっくりと堪能できました。有名な尾形光琳の「燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)」もこんな静寂の中で描かれたに違いない。ちなみに、京都の趣ある近代庭園と聞かれたら小川治兵衛、7代目の作かな、と言うてみるとだいたいあたります。私が長年勤務していた重要文化財・京都府庁旧本館の中庭も7代目・小川治兵衛作です。7代目とつけるところが「通(つう)」。さらに関係ないけど、京都で由緒ある桜の話がでてきたら、佐野 藤右衛門(さの とうえもん)という桜守(さくらもり)がいはるね、現在は16代目だったかしら、とか言うと一目置かれます。。。なんのこっちゃの京都講座でした。

気を取り直してカキツバタ。花しょうぶに比べると少し地味ですが、シュッとした緑の葉の間から貴賓あふれる花が見え隠れ。

ちょっとボケちゃってるけど、右側の白地に紫の模様が入って一層貴賓にあふれた品種は「折り鶴」。光格天皇がご遺愛されたもので、千代紙で折った鶴をそのままそっと置いたかのような姿から命名され、この神苑で一群が見られると説明されていましたが、時期がズレたのか確認できたのはこれだけでした。

アオサギがくつろいでいるのは西神苑の池。えーっ何も咲いてへんやん、と思ったら、こちらは花しょうぶでした。カキツバタも花しょうぶも私には見分けがつきませんが、開花は6月上旬頃からと案内されているのでもう少々お待ちを。花しょうぶは、伊勢系・肥後系・江戸系を中心に日本古来の品種ばかり200種・2,000株が咲き競うとのことで、池の上にはすでに風情ある「八ツ橋」も架けられていて、開花を待つばかり。 午前中に来るともう少し元気な睡蓮(スイレン)も見られると思うけど、可憐な花がひとつひとつ孤独に咲くのでなかなかカメラで撮りづらい。まあ、インスタ映えごときに屈しない花ってのも根性があっていいですよね。拝観料600円。ただ花を見に来るんじゃなくて、平安遷都1100年を記念して創建された平安神宮で、平安京1000年の造園技法の粋を結集した庭園の風情を楽しむところ。季節のお花が見られたらそれはそれでラッキーでしたね、という神苑なんですよ。静かに心を癒しましょう。

Do you understand?・・ほっほっほ。

出口近くの東神苑。見えているのは橋殿(はしどの)。東山連峰の華頂山を借景にした雄大な眺めもステキですが、松の枝ぶりや支える支柱、青もみじなどそれぞれに風情があって心静かなひとときを過ごしました。お抹茶に和菓子のいっぷく処お茶室が開いてなかったのが心残りでしたが。

朱の大鳥居。岡崎公園のランドマーク。この日は、ようやく自粛生活から解放された親子連れたちが、のんびりと過ごしていました。たぶんほぼ地元の京都市民でしょう。賑やかさもこのくらいやとちょうどええんやけど、それでは観光産業がつぶれてしまうんやろね。難しいところです。

さて、この大鳥居の東側にあるのは京都市京セラ美術館。これは3月16日のお誕生日のブログに掲載した写真。約2カ月のコロナの暗黒時代を経てようやくリニューアル後のオープンが決定したようです。オープニング企画展の予定がまるごと変更になって、当面は京都府民だけが入場できる小オープンやけど、待ちに待っていたのでさっそく行ってみることにします。ウイルスと共存しつつ楽しむ暮らし、スタートです。