2020.05.10

大分県豊後ジオパーク「原尻の滝」。9万年前の阿蘇の巨大噴火を学ぶ~京女のひとり旅10

大分のナイアガラと言われる豊後大野市の「原尻(はらじり)の滝」。フォトジェニックなスポットです。

道の駅「原尻の滝」に車を止めて数歩、のどかに広がる田園風景の中に、その滝は突然姿を現します。幅120m・高さ20mほど、決して大きくはないので、お花畑の向こうになんか見えてるなぁと近づいて全景が見えてくると「おおっ~~!」とここで初めて感動がきます。木造のつり橋「滝見橋」を渡りぐるっと回って滝の上を一周するとドライブ途中のちょっとした運動やね。滝が流れ落ちる際まで行けるなんて、そー無いですよ。写真映えスポット探して落ちんよーに気を付けてね。

約9万年前ってイメージできひんけど、ともあれ、阿蘇火山の巨大噴火による火砕流(かさいりゅう)が冷えて固まった「溶結凝灰岩」(ようけつぎょうかいがん)と呼ばれる岩石なんですって。溶岩とは違うらしい。「この岩石は冷えると多角形の柱状に固まる特徴があり、固まった凝灰石のハチの巣のような岩を『柱状節理(ちゅうじょうせつり)』と言います。」・・高校生に戻った気分。そして水流が柱状節理の割れ目にそって岩の塊をもぎとりつつ川床を下へ下へと低くして、洪水のたびにこれを繰り返し、長い長い年月の浸食作用から高い垂直な壁がつくられた、と解説されてます。

なので、この滝は上から落ちてくるんじゃなくて、平地から下へ落ちる、ということらしいです。なーる!。一帯は、日本ジオパーク認定の「おおいた豊後大野ジオパーク」。火砕流に覆われたこのあたりには垂直な断崖が多く、この溶結凝灰岩は比較的柔らかくて加工しやすいことから、磨崖仏(まがいぶつ)もたくさん彫られて全国磨崖仏の7割が大分にあるとのことです。そういえば臼杵(うすき)の石仏とか国東半島の磨崖仏を私も過去にいくつか見たことがあります。久しぶりにまた行ってみようかしら。

ちなみに、京女がいきなり九州なんですが・・ツレアイの実家が宮崎県延岡市で義母がひとり暮らし。ずーっと年2回ほど帰省し、そのたびにあちこち寄り道してたもんで結構九州通です。言うてもナビ担当はツレアイで私は運転担当やし地図もよーわからん人でしたが。未亡人ひとり旅になってからも義母の顔見やお墓参りにもしょっちゅう通っています。新幹線+日豊本線だったり途中の別府でレンタカーしたりして。上の写真は数年前のもので、豊後大野の高台にある道の駅「みえ」からの眺め。江内戸の景(えないどのけい)と言うて豊後大野を象徴する景観とのこと。阿蘇の溶結凝灰岩を大野川が長い時間をかけて削り取ってできた河岸段丘(平坦な部分と傾斜が急な崖とが交互に現れる)の地形なんですって。ジオサイトにはいくつか周遊モデルコースが紹介されてます。ほんまは公共交通機関を利用してランチビールなんぞをしながらウォークしたいところです。また研究することにしましょう。

最後の写真は、この年末帰省の際に寄り道した阿蘇草千里からの眺め。大丈夫かなと思うほど噴火がずーっと続いていて、ひとりドライブはちょっと怖くて早々に退散しました。つい数か月前のことですが、この頃はまだコロナの影響もなく中国からの団体バスも数台止まってたっけ・・。