2021.05.13

新緑の水源の里・古屋(こや)に群生しはじめたクリンソウ~京都府綾部市

京都府のレッドデータブックで、準絶滅危惧種のクリンソウ。紅紫の鮮やかなお花。

古屋地区・自治会長の渡邉和重さん。「クリンソウが満開で今が見頃。ぜひ見に来てね」との案内をもらって、さっそくお出かけしました。

新緑の色合いがステキ。心癒されます。京都府綾部市古屋地区は、綾部市街地から30㎞ほどのところに位置する2世帯3人の京都府でもっとも小さい集落です。自然豊かな古屋には、樹齢1000年の巨木をはじめ、1000本を超える「とちの木」が群生。15年ほど前に綾部市が過疎集落・水源の里の再生に着手。渡邉会長の呼びかけで会長のお母さんら80歳前後の女子たちが一念発起し、とちの実を使った、とち餅、とちの実おかき、とちの実あられ、とちの実クッキーなどの特産品づくりをスタート。とちの木の保全やとちの実の収穫には、ふるさとボランティアさんたちが自主応援団組織「古屋がんばろう会」を設立してお手伝い。応援の輪も広がりました。

2017年に訪問したときの写真。(ちーびず推進員のブログから。ブログはこちら)。集落の存続に向けた平均年齢90歳超え女子らのアクションを京都府でもいろいろ応援させてもらいましたが、渡邉会長がちょっと体調を壊さはったり、台風による土砂崩れでもともと狭い目のアクセス府道がよけいに狭くなってたりしてしばらく足が遠のいていたところ、今回のクリンソウ訪問。渡邉会長やお母さんたちの元気な笑顔にほっと一安心。加工作業を終えて自宅に帰らはるお母さんにご一緒させてもーたら、ちょこちょこクリンソウを見に来る人があるのを見て、「この休憩所を開けとかんとアカンかなぁ。けど今日は売るもんここに置いてへんし」とか「バイク2台あるんやけど乗ろかなぁ迷ってるんや、どっこも行けへんし、危ないかなぁ・・」とか問いかけ的つぶやき。90歳越えの先輩女子に返すことばが見つからず、そうやねぇ、ほんまやねぇ、はははっ・・って、なんのこっちゃの会話。まだまだ修行が足りんよーで。

「クリンソウ、10年ほど前から群生し始めたんや。去年よりちょっと増えてるわァ。ちょっと前まで絶滅危惧種だったらしい。京都市の方に群生地があるらしいけど」と渡邉さん。京都府レッドデータブックをのぞいてみると、旧2002年版は絶滅危惧種で2015年版では準絶滅危惧種に。なんでも、シカが食べない植物なんで、かつて個体数が減ってたけど最近は増加する傾向にあるとか。群生地は京都市・乙訓地域と南丹地域らし。写真に写ってるのがほぼ全容の小さな群生。あと、道路沿いにも少々・・上の新緑写真で道がカーブするあたりと、とちの加工所の横にも少々咲いてました。ちょっとアップにすると・・・

さらにアップに・・・

かわいいお花。それに色がとても鮮やか。「さっきまでNHKの人が取材に来てたし、新聞社も2社ほど来てたんで、そのうち報道されるやろ」ですって。この日に訪問してよかった。なんせ車が離合できないとこが数か所あって、20mほどバックしたら待機スペースがあるんやけど。地元優先との看板に、行きは郵便配達のバイクと生協の車が止まってくれてはって、帰りはクリンソウを見にきたっぽい車が2台バックしてくれはりました。私、地元っぽかった?。コロナ自粛中、自然いっぱいなとこでの息抜きは魅力やねぇ。みなさんくれぐれもカーブは慎重に。ときどき蓋がない溝にも気を付けて。

ツーショットでパチリ。渡邉さんに高齢者コロナワクチン説明に来てはった自治会役員さんに撮ってもらいました。うしろに小さく写ってるのはクリンソウ撮影の人たち。静かなのはお馴染みさん。これだけ?って言うてる人はご新規さん。パラパラと来はります。「ミツマタやシャガの群生が今年はシカにやられて全滅や」との役員さんは隣の集落。「古屋のミツマタは大丈夫や、山の方によーけある」と。自然豊かだといろんなもんが群生するんやね。

オタマジャクシも元気いっぱい群生・・・。しばらくしたらカエルの合唱か。

渡邉さんのお母さんからもらった、山椒の葉っぱのたいたん・佃煮。古屋に自生してるやつ。うれしいっ、ありがたい長生き佃煮かも。晩酌のおともにおいしくいただきました。