2021.02.22

梅の香りに誘われて、ひとり静かに、おさんぽ~京都・清水寺から下鴨神社へ

トップの写真は、左京区下鴨神社の「光琳の梅」。

で、その前に、まずは早朝ウォークでお世話になってる清水寺の梅前線から。一番咲きの仁王門の白梅が見頃です。

早朝ウォークの朝6時はこの時期まだまだ暗くて。境内には横から入って正面から出ていく変わりウォークしてるもんで、あっ、梅の花見んとアカンかった、と気ぃついた時すでに遅し、という春も。20年も続けてると心に余裕がない時期もあって。今はゆとりを楽しむステージ中。今年は他府県へのお出かけ自粛やし、せめて京都を極めようと、暗がりのなかで毎日真面目に観察。ようやく見頃を迎えたよーなので、日が昇って明るくなってから梅見さんぽ。寒の戻りと交互の日々やけど、20℃前後の陽気が少し続いたこともあって、仁王門向かって左の紅梅も咲き始めています。こっちの見頃は来週あたりかな。都合よく両方一緒にとはなかなかいかんですけど。

三重塔の近くにも早咲きの梅。こっちはちょっと地味ながら、ウォークで休憩させてもらってる腰掛石からも見ることができるんやけど、なんせ暗がりの中ではこれまた気づかず。そろそろ春ですよ、気ぃついてますか、って言うてくれてはんのやろね、きっと。

この日は体制を整えて梅見に出てきたので、清水寺からさらなる梅スポットへ。東山通りから市バスに乗って北へ。

京都市左京区、世界文化遺産にも登録されてる、通称、下鴨神社(しもがもじんじゃ)。正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)です。紀元前からと歴史は古く、糺の森(ただすのもり)の奥深くに鎮座する神社は「源氏物語」や「枕草子」などにもしばしば登場。

下鴨神社の楼門。冬は建物がよく見えます。糺の森は原生林やけど、常緑の針葉樹が少なくて落葉樹の森なために、冬のこの時期はとても明るい。神社と言えば針葉樹に囲まれてうっそうとしたイメージのなか、開放的な糺の森はちょっとめずらしいみたい。なんてエラソーに書いてるけど、ここらあたりはちょっと苦手な私。というのも、碁盤の目になってて、わたし的には上がる下がるも東西南北もとても分かりやすい京都のまちやけど、ここ下鴨あたり、鴨川が加茂川と高野川とに別れて・・って反対か、2つの川が合流して鴨川になって南へ流れてて、この合流地点が只洲(ただす)。でそこに広がるのが糺の森。川に沿って行けば南北、交差点を渡れば東西へ・・と行くはずが行けない。川が分かれて斜めになって道も斜めになっただけで東西南北がくるってしまうヤワな私の羅針盤。碁盤の目になってへん京都なんて許せへん!

と、そんなこんなで、下鴨神社の「光琳の梅」。

光琳とはもちろん絵師・琳派の尾形光琳(おがたこうりん)。国宝の光琳作「紅白梅図屏風」に描かれた梅のモデルになっているとか。

下鴨神社の楼門をバックに、御手洗川(みたらしがわ)にかかる輪橋(そりはし)と光琳の梅。御手洗川の水がすぐ奥の御手洗池(みたらしいけ)に流れ込み、5月の葵祭(あおいまつり)の際には、この御手洗池で斎王代(さいおうだい)の禊(みそぎ)の儀が行われる、というものです。それにしても、境内に梅の木はたった一本なのに、結構たくさんの人たちが訪れててちょっとビックリ。さすが京都、さすが世界文化遺産・・・???

糺の森は古代から清水の湧くところ。何か所かある手を清める御手洗(みたらし)もいろいろ工夫がされてておもしろい。

休憩処「さるや」でいっぷく。和菓子があってよかった。

下鴨神社と言えば双葉葵(ふたばあおい)。葵の最中とほうじ茶のセット。お抹茶はなかった。まぁ、結構ガッツリな大きさでお抹茶には合わんかも。平安京と違うワイルド感もええもんやね。お茶碗の双葉葵がかわいい。双葉葵は下鴨神社と近くの上賀茂神社のご神紋。徳川の三つ葉葵のモデルです。かつて双葉葵はここらに自生してたらしいけど、地下水位の低下で乾燥が進み激減したとか。上賀茂神社の方だったかしらに、地域の住民の方々で双葉葵を育てよう運動をされてたよーな。糺の森の保存継承活動もあるみたい。一本の梅の木も良いけど、緑あふれる季節にもぜひまた来ることにしよう。