2022.06.12

山口県・山口市、新緑の国宝・瑠璃光寺五重塔と雪舟庭~京女のひとり旅28

京都ではありません。おいでませ山口へ。山口市にある瑠璃光寺(るりこうじ)五重塔。国宝です。

京都市内の4つの五重塔・・東寺・醍醐寺・仁和寺のと八坂の塔・・とは、ちょっと違う。

屋根が檜皮葺(ひわだぶき)の茶。それと、塔の上層にいくほど間がつまってて、シュッとした安定感。そしてなにより・・・

池と山と五重塔とのコラボショットが撮れるのは、瑠璃光寺五重塔だけ。水面に映り込んた緑もあわせて、新緑にすっぽり包み込まれた景色が、ステキ!

九州旅への2日目。広島県三次から中国道で約180㎞。(三次の旅ブログ)ちょっと近すぎやけど、この風情と湯田温泉(ゆだおんせん)を楽しみに。瑠璃光寺五重塔の一帯は香山公園(こうざんこうえん)。国宝を眺めつつ市民が憩う場所。京都のお寺の堅苦しさとは違って、ちょっとえぇね。瑠璃光寺は五重塔より後のお寺。当初、この地にあった香積寺(こうしゃくじ)が、江戸時代の初めに萩へ移り、そのあとに瑠璃光寺が移ってきたらし。

山口と言えば、大内氏。南北朝時代の1360年頃、長門・周防国(ながと・すおうのくに)の守護に任じられた24代大内弘世(おおうちひろよ)は、京文化押しの人で、政庁を今の山口市に移し、京に模した街づくりをはじめた。応仁の乱以後には京から逃れてきた文化人を歓迎し、「西の京」として大内文化が栄え始める。前期全盛の頃、25代大内義弘(おおうちよしひろ)が、香山公園に香積寺を建立。建立中に足利義満との戦いで戦死した義弘を弔う供養塔として建立されたのが、五重塔。大内文化の最高傑作やと。全国に現存する五重塔のうちで10番目に古いらし。西の京は、ゆかりの有名人も多く、室町幕府・足利義材(よしき)10代将軍、フランシスコ・ザビエル・雪舟(せっしゅう)などなど。。。そう雪舟。この時期に訪れたかった場所。

新緑の常栄寺雪舟庭(じょうえいじせっしゅうてい)。本堂からの眺め。今から約500年前、28代大内政弘が別荘として、画僧雪舟に築庭させた池泉回遊式庭園。中央には無染池(心字池)。池と本堂の間・・写真正面あたりは芝生の枯山水。サツキも旬。庭を囲む周辺三方の山林も名勝指定の地域。

山林散策道から、池と本堂を眺める。五重塔や庭園を見てると、京都気分が戻ってくる、ね。

雪舟は室町時代に活動した水墨画家・禅僧。大内氏の船で明国(みんこく)に渡るため山口を訪れ、帰国後、応仁の乱で荒廃した京を避け、大内氏の庇護のもと創作活動をおこなったらし。雪舟は、周防をはじめ豊後(大分県)や石見(島根県)でも創作活動を行なっていたよーで、西日本旅ではちょこちょこ見かけます。

山口県立美術館近くのカフェ・ノーマでオムライスのランチ。県美にはステキなカフェもあるんやけど。。山口市へは現役時代から新幹線週末旅で何度か。新山口(小郡)や山口市内に宿泊して県美、五重塔、ザビエル聖堂をウロウロ。で、今回は2㎞程離れた湯田温泉に初めて宿泊。先に、アクセスがちょい不便な雪舟庭に立ち寄った後、ホテルに車を置いてから路線バスで県庁横の五重塔へ。勝手知ったる山口市。

山口市のアーケード商店街をぶらっとした後、バスで湯田温泉に戻り、山頭火句碑なんぞをチラチラっとみてまわってると、湯の香通りに、石臼みたいな「手湯」めっけ。

隣りにあった「足湯」でひとやすみ。ふぅ~~えぇ気持ち。立ち寄り湯は、意外としんどいし、ビジネスホテルにも天然温泉あるんで、これで十分満足して終了。さて食品スーパー探し。まちなかやし大丈夫かと思たら、ルートバス路線から外れて結構歩かされるハメに。ランチビールしてないけど、屋根付きに置いた車を動かしたくなくて、ハァハァ。けどまぁ、ホテルの小さな露天風呂とスーパーの仙崎港のイカ刺しで、疲れが癒されました。

ところで、山口市観光の初回は、かれこれ40年ほど前。京都府庁で財政課っちゅうとこの茶ぁくみ女子だった頃。アルバイトちゃいます。当時の若い女子の仕事はこんなもん。なのになぜか他府県への財政状況視察調査っちゅうんに茶くみ女子2人で行かされたんが山口県。女子も出張してます、って、労働組合へのアリバイづくりやね。今どきはもー無い・・たぶん無いはず・・無いと思いたい・・。他府県からも京都へはよー視察調査に来てたね。国の職員やらも祇園祭時期とかに。みんなで渡れば、って・・やれやれ。財政課からは知恵を絞って1年で移動したので他府県視察は一回こっきりでした。。ともかく出張の際に、山口県財政課の若手男子職員から丁寧な観光案内をしてもらったんが最初。山口市は大内氏のまちです、と。えっ、大内氏だけのまち?と、京都人的には、ちょっとびっくり。けど、流れるよーな説明にとても感心。丹後出身の私、丹後にしても京都にしても、よー知らんし恥ずかしなぁ、と思たけど、お勉強することもなく今日に至る、です。けど出張のおかげで、山口市リピーター。ちなみに、山口市は県庁所在地なのに、人口は下関市に次いで2番目。認知度もちょい低めだとか。そー言えば、私の週末新幹線旅も、山口市泊より九州小倉泊のがずーっと多く年3回以上。その際には門司港と下関とをトンネルウォークや船でグルっと回る県境越えコース。下関市訪問のが圧倒的に多かったんやな、でした。さて、いよいよ九州旅は関門橋を渡ります。