2021.03.06

滋賀県・長浜盆梅展へ。北国街道の梅の花~京女のひとり旅20

間に合ってよかった、長浜盆梅展(ながはまぼんばいてん)。樹齢400年の「不老(ふろう)」も満開でお出迎え。

1月9日から始まった盆梅展、会期は3月10日までやのに、京都のコロナ自粛はちゃんと明けるんやろか、琵琶湖の水にお世話になってる京都市民としては自粛を押して出かけて滋賀県に迷惑かけたらアカンし、と気をもみました。70年の歴史ある長浜盆梅展。京都駅から琵琶湖線・新快速で約1時間。私も何度となく訪れた梅のお花見。「盆梅」とは、鉢植えの梅、梅の盆栽のこと。新春の風物詩です。

盆梅展が開催されている慶雲館(けいうんかん)。長浜駅のすぐそば。明治20年に明治天皇が京都へ来はった帰り道に、長浜での休憩所として建てられたもの。慶雲館の名づけ親は、当時の総理大臣・伊藤博文だったとパンフに書かれています。聖徳太子、日本武尊(やまとたけるのみこと)に次いで3番目に千円札に描かれた人の命名やからスゴイことなんや、きっと。今どきは総理大臣なんかに命名されると、ものスゴ、キケン。

しだれ梅、姿がえぇです。さすが年季が入った盆栽。早咲きの梅、白梅、紅梅、由緒正しい梅はどの鉢も見ごたえたっぷり。

300もある鉢の中から、開花時期に合わせて90鉢ほどが和なお座敷にずらり。どの時期に訪れてもハズレはありません。とは言え、2月中旬頃が花も若くつぼみもありーので一番えぇかな。3月に入ってどの梅もクライマックスを迎えた感。梅もさることながら窓からみえる庭園がこれまたステキです。

近代のステキな庭と言えば、7代目小川治兵衛と言うとけば当たる・・いえいえ、ほんまに7代目小川治兵衛はんやとバンフで確認。雪つりの景色も北国街道って感じでおもむきがあります。過去にはツレアイと一緒に大雪の日に来たこともあって、それはそれは真っ白な庭園に魅了されました。ここ長浜は伊吹山のふもと。雪もよー降るけど、以前は今ほど列車も運休せーへんかったですしねぇ。。

米原在住の切り絵作家・早川鉄兵氏とのコラボ展示室。ちょっとかぶってしまって残念かな。どちらもワイルド感がえぇのにねぇ、惜しいっ。

訪れたのは3月3日。盆梅のひな壇もカワユイ。

2階のお茶席でいっぷく。お抹茶と盆梅しそ餅。ふふっ。

盆梅展の会場をあとにして、長浜のまちをちょっとぶらり。この日は寒の戻りの冬晴れ。雪をいただく伊吹山がくっきり見えてます。左手は大通寺(だいつうじ)の門。長浜は秀吉が長浜城の城下町として整備。長浜城は1600年の関ケ原合戦のちょっと前に地震で全壊。その後の大坂の陣の後に廃城。その後の長浜は、真宗大谷派(東本願寺)の大通寺の門前町、琵琶湖水運の要衝のまちとして湖北の中心に。琵琶湖のほとりに建つ長浜城は1983年に復元され市立の歴史博物館です。大通寺の境内では馬酔木(あせび)の盆栽展開催中。白・赤・ピンクなどで小さくてかわいい花やけど毒性があって馬が葉を食べるとマヒする馬酔木。この日のお寺の廊下は足の芯から冷えそうなので、また今度。4月中旬までやし桜と一緒でもOKです。

平日の商店街は人もまばら。長浜の黒壁ガラス館、黒壁スクエアのビジネスモデルは平成元年頃、私が府庁で商店街活性化担当をしていた頃、先進視察先としてよーはやりました。猫も杓子も長浜へ。たしかに活気がみなぎってましたね。大型スーパーやホームセンターにとってかわられた荒物屋さんが長浜の商店街で生き生きとお商売してはる様子に、思わず鍋やほうきを買うて帰ろうかと思ったほど。近江商人の底力。

冷たい風がぴゅーぴゅーで、こんな日は、長浜名物・ 茂美志や(もみじや)の「のっぺいうどん」とも思ったけど、同じ思いの観光チックな人らがちょこちょこ入店しはったので、密を避けてちょっと変化球、「蘭亭」のふわとろオムライスでランチ。真ん中を割って食べま~す。ごちそうさまでした。

JR長浜駅前開発で整備された「えきまちテラス長浜」。改札を出ると伊吹山もお出迎え。琵琶湖と伊吹山の風景と、ノスタルジックとモダンなまちなみ。長浜城の桜ももうすぐやし、また来ることにしようっと。