2022.03.04

京都・六波羅蜜寺でカルチャー~大人の修学旅行的な・・

「『ろくはらみつじ』って、漢字で書ける?」・・清水寺への朝ウォークで、ほぼ毎朝、六波羅蜜寺の横を通るたび、10年以上前のツレアイとの会話を思い出して苦笑する。「京都検定って、こんな問題がでるんやで」ってさ。検定1級さんの隣で門前の小僧だった私は、しっかりミツの字間違えた。けどさー、♪~生きてるうちが花なんだぜ~♪・・最近のダンディオジサンらは、えぇ歌、歌ぅてはるわ。

と、そんな六波羅蜜寺の案内板があるのは、六道の辻(ろくどうのつじ)、東山区大和大路通松原。小野篁(おののたかむら)が現世と冥土とを行き来した井戸がある六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)の門前あたり。ここの梅のつぼみが、よーやくほころび始めた2月初旬頃に見つけた六波羅蜜寺の告知版。

東京国立博物館で「空也上人(くうやしょうにん)と六波羅蜜寺」展が開催されるらし。空也上人像と言えば、教科書に載ってた、口から6体の小さな阿弥陀仏を出してはるやつやん。そー言えば、ホンモノ見たことなかったわ。東博、行こかなぁ~・・・って、いやいや、なんでわざわざ東京行かなあかんねん、ここで見れるんちゃぁうん・・・見れるんやろか、などと、とんだ京女。さっそくググってみると、六波羅蜜寺の宝物館で拝観できると案内あり。まさかレプリカ?・・いやいや東京で見れるもんが本場の京都で見れんなんて・・許さへん、とお出かけ。

大和大路に面した正面。ここの門はいつも閉まってるけど、奥に見えるのが本堂。南北朝時代、1363年修営の重要文化財。入り口はちょっと左手に。

いわゆる境内。これだけ。写真きれてるけど、左手前に六波羅弁財天があって都七福神(みやこしちふくじん)の一つらしくお参りする人あり。本堂の手前の十一面観音像がお出迎えしてくれてるけど、ここに願い石とお賽銭箱が置かれてるので、これだけなんかなぁ、と疑問のまま今日に至ってました。この十一面観音像は、本堂に安置されてる国宝で秘仏、木造の十一面観音像を模したもん。秘仏・・お寺の冊子にもネットにもほぼ、露出なし。けど12年に一度、辰年(たつどし)に公開とか。再来年?、絶対、お会いしたい!。履物を脱いで、本堂で手を合わせるも、心ここにあらず。さっそく、裏手の宝物館へ。

写真撮れへんので六波羅蜜寺のパンフから拝借。おぉ~~。空也さん、ほんまにいはる!。正面に大きくドーンと、かと思もたら、さりげなく、左端の方に鎮座。人もいーひんかったし、空也さんのとこへ直行。教科書で見たとおりのホンマもんや、感激っ! 空也上人像、鎌倉時代、運慶(うんけい)の四男の作と伝えられてて重要文化財。アップだと・・

こんな感じ。これ、六波羅蜜寺のパンフと冊子画像。スイマセン。仏像関係は・・撮影できひんし。口から阿弥陀さん出してはるインパクトもあって、空也上人像が教科書やらにも取り上げられてたんやろけど、この宝物館に安置されてるんは、平安か鎌倉時代の木像15体ほど。重要文化財ずら~り。上のパンフ館内写真、入り口を入って、空也さんがカメラに入るよーに左へ向けてシャッターを切るとこんな感じ。立ってはるんが、地蔵菩薩立像(館内写真のまん中へんの立像)。この立像は左手に女性の頭髪を持ってはる。平安時代の頭髪やないやろけど、結構古いもんらし。その右が平清盛(たいらのきよもり)坐像。その右が弘法大師坐像で正面あたりだったかなぁ。写ってない右側には、薬師如来坐像や閻魔(えんま)さんもいはって、にらみをきかせてはる。さらには、四天王・・多聞天、広目天、持国天、増長天の立像などなど。1000年って。小さな宝物館の、大きな大きなお宝に放心。京都って・・・意外と、スゴかったんや~~。

ちなみに、六波羅蜜寺は、951年に、醍醐天皇第二皇子の空也上人により開創された、西国第17番の札所。当時京都に流行した悪疫退散のため、上人自ら、十一面観音像を刻み、御仏を車に安置して念仏を唱えつつ市中を曵き回り、ついに病魔を鎮められたという。上人没後も規模増大し、荘厳華麗な天台別院として栄え、平安後期、平家とのつながりでさらに栄えたが、平家没落で本堂以外焼失。源氏、北条・足利と続く時代にも火災と修復を繰り返しつつ、秀吉、徳川代々将軍へと引き継がれた、と解説されてる。秀吉の本堂修理の際に、真言宗智積院(ちしゃくいん)の末寺になったらしいけど、このへんは、寺史には書かれてないので、あまり気にしてはらへんらしい・・京都らしい。

今は、お宝は東京へ出張してはるんで、宝物館もお休み。5月下旬にはまた再開されるよーです。きっとまた、お出かけすると思います。旅費いらへんし600円やし空也さんにまた会いたいし。それにしても、えぇもん見つけました。年末頃のNHK・Eテレ、仏像講座を見てて、仏像の見方とかちょっとずつ興味を持ち始めてたんやけど、一気に関心が高まって、もうすでに、あちこちお出かけ中。長い長い時を超えて静かにたたずむ仏像や建造物、歴史にプラスされる、雪や梅や桜などの季節の風情も見逃せへんし~。コロナがおさまったら他府県への旅も再開したいし。生きてるうちにどれだけ制覇できるんやろ。がんばらんと。。