2021.02.19

梅の香りに誘われて、ひとり静かに、おさんぽ~京都・北野天満宮

早咲きの白梅。京都市上京区北野の「天神さん」こと北野天満宮。境内の中ほどにある「星欠けの三光門(ほしかけのさんこうもん)」。桃山時代の建築様式の門と「天満宮」の額をバックに。ちょっとええ感じ。

「星欠けの三光門」言うんもなかなかシャレてる。星影やないで・・。本殿前の中門のことで、日、月、星の彫刻に由来して名称は「三光門」。けど、お日さんとお月さんの彫刻だけしかなくて、平安時代に朝廷があった千本丸太町あたりの大極殿(だいごくでん)から帝(みかど)が天神さんに向かってお祈りをされる際には、ちょうどこの門の上に北極星が輝いて。つまり星は夜空に輝く北極星を見とくれやす、と。なんと京の都らしい、みやび、やねぇ。道真はんの怒りも静まってくれはるやろか。

拝殿前のご神木の梅の木、梅を愛した菅原道真の飛梅伝説、大宰府に左遷される際に庭の梅に和歌を詠んだら、その梅が道真はんを慕って、一晩のうちに京都から大宰府まで飛んで行ったと言われるのと同種の紅梅。こちらは、まだつぼみ。京都のコロナ自粛解除後が見頃になりそう・・・かな・・だといいね。

天神さんの境内、本殿の裏側には最古の地主神社や摂社や末社がたくさんあって、あちこちに植わってる梅の木は、お正月の初詣の頃からどこかしらで咲き始めます。春の訪れの撮影には満足できるんやけど、今回はせっかくなのでと、とても久方ぶりに、公開中の梅苑へ。茶菓子付き1000円。

約50種、1500本、期間は1月末から3月下旬まで。今は早咲きの梅だけが見頃で、枝ぶりのステキな枝垂れ梅とかまだまだこれから、といったところ。

「星欠けの三光門」の白梅の横に咲く紅梅。梅苑の中からやないと見れん景色。わたし的には今回の1000円のスポットはこれくらいやろか。いやぁ、怒ってへんよ。この日は春の陽気でこころ穏やかにゆっくりと、かわいいつぼみや枝ぶりを確認しつつひとまわり。で、やっぱ、京都は、広さや数やなくてシチュエーションやねぇ、三光門バックの白梅が一番で、あとは拝殿前の梅が咲いたらお詣りしてパチリでOKと、納得させてもーたし。

ちょっと残念やったんは、お茶菓子セット。天神さんと言えば「長五郎餅」。歴史ある長五郎餅本舗。天神さんの境内にも長五郎餅をどうぞ、の看板がたくさんあって、梅苑のお茶菓子なら長五郎餅に違いない、と楽しみにしてたら、上京区の老松(おいまつ)さんの麩焼きせんべい「菅公梅」紅梅白梅の2枚、で、ほうじ茶紙コップで飲み放題・・うーん。老松さんは好きやけど。すっかり甘いおまんじゅうの口になってたもんで。1000円やから言うて梅苑チケットにお茶菓子付けんでもええのに。茶店で別メニューとも思ったけど、熱いほうじ茶をどうぞ、と声かけられてつい手に取ってしまったし、そないによーさん飲まれへんので、2月にしては強い日差しを浴びながら、おせんべいをポリポリするハメになりました。寒の戻りの寒い日やったら、熱いほうじ茶は価値あったやろね。飲み放題まではどうなんやろ。庭園や美術館や博物館系の休憩処には、お抹茶&和菓子でおもてなししてくれはるところが多いけど、気ぃつかうしやろかお客さんは少なめ。えっ、お抹茶飲まはるんですか、みたいな顔されることもあっておもしろい。作法も知らんのやけど、おいしくいただいたらえぇやんねぇ。島根県松江の松平不昧公(まつだいらふまいこう)ゆかりの場所では上生菓子2つチョイスできまっせ、なんてなお茶席もあったり。ちなみに私は、和菓子&コーヒーが一番好みで、東京の山種美術館カフェとかお気に入り。京都でも岡崎の国立近代美術館カフェとかあるし。まぁ、そんなこんなで、天神さんを後にしました。

こっちは、帰りに立ち寄った、下京区うちのすぐご近所「菅大臣天満宮」。去年の初詣ブログでも紹介しています。道真はん誕生の地・邸宅の跡地で、例の飛梅伝説の本家の神社。そろそろ咲き始めてるね。

ところで道真はんと言えば、先にも紹介したことがある京都生まれの女性作家・澤田瞳子さん。時代小説、歴史小説でも京都中心の平安京などの時代ものはちょっと異色で、けど京都人としてはちょっとおもしろい。小説「泣くな道真」では左遷されてクサる人間味あふれる道真はんが愛おしい。かと思うと、小説「腐れ梅」は、色を売る似非(えせ)巫女や、おぬしも悪よのぅな嫌な奴らがいろいろ登場して、道真はんの怨霊や祟りを恐れる公家たちから金をせしめて北野天神を祀り上げるという、読んでるうちにムカついて呆れるストーリー。フィクションやろけど、たぬき京都人ならさもありなん、と思うと、天神さんのありがたみも薄れてくる。まあ、「なんや知らんけど、道真はんおおきにやで」とお詣りし、ほとんど咲いてなかった梅苑でおせんべいポリポリして「泣くな道真やなぁ」なんて言うてるのも一興。京都はほんまおもしろい。