2022.01.26

雪の京都、その3。仁和寺・五重塔も雪の中

古都に14cmの積雪。この日の京女のチョイスは、京都市右京区の世界文化遺産・仁和寺。みやこの北西にあって京北や美山への入り口。まちなかより雪が多いし公共交通も雪に強いはず。何より、自宅近くのバス停から市バス一本と便利なうえ、仁和寺のバス停も仁王門のすぐ前、戸口から戸口。しゅっぱぁ~つ。

バス停「御室仁和寺(おむろにんなじ)」で下車して、重文の仁王門をまずパシャリ。雪そこそこ降ってて良かった! と言うのも下京区あたりは通勤の人らも難儀するほどやったのに、西へ北へと向かうほど、いつも増える積雪が少のーなって歩道もアスファルト色主体。空もだんだん明るなるよーで、チョイス間違えたやろかと不安がムクムク。いやいや、北西の空はどんより。ぜったいまだまだ降るはず。で、この雪。安心しました。

敷地内に入って仁王門を振り返って。よしよし、よー積もってます。

で、お花見で有名な御室仁和寺。桜の花と五重塔・・ならぬ、雪の華と五重塔。重文です。

ってか、雪、降り過ぎて、見えへん。これ以上降られたら、視界が・・。風情どころか、遭難しそーや。

正面に見えるのが・・雪で見えへんけど・・国宝の金堂(こんどう)。午前10時前。写真に写ってる親子連れが作ったんやろか、小さな雪だるま、写真真ん中ちょっと左にちょこんと鎮座。雪写真撮りに来た人や、朝のお勤めの僧侶ら何人かとすれ違っても、こんだけ降ると足跡が消えてえぇーね。金堂で手を合わせて、さて次は、とちょっと歩き始めたものの、表示板も雪で覆われて何がなんやら状態。トレッキングシューズやし足元に全然問題ないけど、20cmほどの新雪をスベリ歩きしてると、おばさんも雪遊びに来はったんや、と子供に誤解されたらちょい恥ずかしい。引き返すことに決定。ちなみに、仁和寺には去年の5月中旬に訪れてカルチャー済み。ステキな新緑の写真撮影しつつ、去年はブログをサボったので、また春とか初夏にでも・・乞うご期待。

今回のもう一つの目的は、京都市の「京の冬の旅」、非公開文化財特別公開へのお出かけ。観光閑散期の文化財カルチャー。そうだそうだ、そー言うのあったんや、と思いついて、先日、東山区の智積院(ちしゃくいん)へ特別公開お出かけのついでに、300円でパンフをゲット。ひとり静かな旅に最適。リタイアしたら行かんとと思てたんや。ホンマは団体客目当てやろけど、コロナ期やしねぇ~。。。ということで、仁王門近くの御殿(ごてん)・庭園の特別公開へ。冬季名宝展との共通券で1300円。

仁和寺御所庭園(ごしょていえん)。向こうに見える五重塔も、すっぽり雪。写真撮ってるところが御殿(ごてん)で、いくつかの建物群が回廊で結ばれて、御所(ごしょ)の風情ありとか。そういえば京都府庁勤務長かったのに、すぐ隣の京都御所の一般公開って行ったことなかったなぁ。今度ぜひ。庭園は2021年3月に国の名勝指定され、庭園の散策可らしけど雪で中止。まっ、建物群中の黒書院で、日本画家・堂本印象(どうもといんしょう)の襖絵見っけたし、良しとしよう。

ところで、そもそも仁和寺、真言宗御室派(おむろは)の総本山。888年・仁和4年に、父・光孝天皇(こうこうてんのう)の遺志をついで、宇多天皇(うだてんのう)が造営。年号にちなんで「仁和寺」と。平安京の候補に検討されたことも・・ありやなしや・・で、御室御所(おむろごしょ)とも呼ばれ、格式を誇った名刹。明治維新まで約1000年、代々皇室から住職を迎えた門跡寺院(もんぜきじいん)とか。。。ついて来れてる? 真言宗は9世紀頃、弘法大師・空海がひらいてて、ともかく、この平安時代は真言宗が主流だったんでしょう。ただまぁ、京都人言うところの先の戦争、1467年の応仁の乱で焼失。1646年に仁和寺として伽藍が再建されるも、また一部焼失したり。で、この庭は、おなじみ7代目小川治兵衛作らし。ちなみに、当初の仁和寺建立に着手した光孝天皇といえば、小倉百人一首、「君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ(きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ)」のひと。さらにちなみに、父のあとを受けて仁和寺を完成させた宇多天皇は第59代天皇で、仁和寺から金閣寺を通って三条京阪へ至る市バスの系統番号も59系統。ついでに、菅原道真(すがわらみちざね)は宇多天皇の側近で、優秀すぎたため大宰府へ左遷され怨霊に変身(?)・・あぁ~~~、カルチャーが重いっ!!

ひとつ上の庭園写真、五重塔の手前の建物、重文の茶室「飛濤亭(ひとうてい)」前からの御殿の眺め。歴史も重いけど、雪も重そーや。共通券やし、このあと、仁和寺霊宝館で、黒書院から一部外されてた堂本印象の襖絵や、国宝の阿弥陀如来坐像をちょっと見。もう、とってもお疲れ。

門前の「いっぷく茶屋」。雪やし空いてた仁王門が見える特等席。芸能人らの色紙もずらーり。アイス押しの店。シフォンとコーヒー注文したら生クリームがわりにアイス。寒いっちゅうねん。。。雪映え目当ての観光客は、タクや市バス59系統で金閣寺へ。お疲れの私は京都駅行きで帰路。戸口から戸口のはずなのに万歩計は6000歩超え。広い敷地と重いカルチャーでヘロヘロな雪見ツアーでした。